CentOSでもWindowsでも使える! 日本語フォント(ゴシック編)
こんにちは。
開発チームのワイルド担当、まんだいです。
Linuxで日本語を打つ時、どうしてますか?
仕事で利用するから、あまり気にしていないという方も多いかも知れませんが、フォント一つ変えるだけで気分も変わりますし、何より文字の見やすさも変わってきますので、見やすいフォントを利用して、気分良くコードを書いたり、コマンドを打ったりしたいものです。
今回は、そんなニーズに役立つ、無料で手に入る高品質な日本語フォントに薀蓄を添えてご紹介します。
yumでインストールできる日本語フォント
yumってソフトウェアのインストーラじゃないの?と思われるかも知れませんが、意外に手広く、こういうものも扱っています。
簡単なのでサッとインストールしてみましょう。
IPAフォント
Linuxの日本語フォントといえば、やはりこれでしょうか。
無料で手に入るにしては、高品質。
配布元が独立行政法人情報処理推進機構(通称IPA)なので、安心して利用できます。
IPAフォントという名前を使わなければ、改変・改造しての再配布もOKという懐の深さもあって、IPAフォント派生のフォントも数多いですね。
CentOSの場合、インストールはyumでできます。
sudo yum install ipa-gothic-fonts ipa-pgothic-fonts
こちらは初級編ですね。
VLゴシックフォント
少しメジャー度が下がって、VLゴシックです。
CentOSにVLゴシックをインストールする場合は、以下のコマンドでインストールできます。
sudo yum install vlgothic-fonts vlgothic-p-fonts
私の場合、ソースコードを書く際に気に入って使っているのがVLゴシックで、コードもターミナルもVLゴシックに設定しています。
VLゴシックと言われると、「なんじゃそりゃ」となるかも知れませんが、元を辿るとM+フォントをベースに、不足分をM+フォントのパーツをベースに制作し、それでも足りない分をさざなみフォントベースの文字で補完したという、割といいとこ取りしたようなフォントになっています。
完全な好みですが、monoscopeの英字はあまり好かんというのと、IPAフォントはターミナルに利用するには耐えられないというので、VLゴシックを愛用しています。
ちなみにM+フォント自体は現在も追加されていて、100文字程度溜まったら、バージョンアップしています。
その他の使える日本語フォント
ここまではyumでお手軽にインストールできるフォントで、以下はターミナルで若干の操作が必要なフォントになります。
さざなみフォント
ダウンロードファイル一覧から、最新版のさざなみフォントを選択してダウンロードします。
最新版といっても、最終更新日は2004年なので、軽く12年も前の話ですが。
このフォントの出自がなかなか面白く、東風フォント(な、懐かしい・・・)が配布終了したのがきっかけで代替フォントとして開発される事になったとの事。
配布が終了した経緯は、東風フォント制作活動終了のおしらせに詳しく書いてありますが、不運なフォントだった模様。
インストール方法は、上記のURLからダウンロードした「sazanami-20040629.tar.bz2」を展開し、/usr/share/fonts/ 以下に適当なディレクトリを作ってぶち込みます。
wget https://ja.osdn.net/dl/efont/sazanami-20040629.tar.bz2 tar jxf sazanami-20040629.tar.bz2 sudo mv sazanami-20040629 /usr/share/fonts/sazanami
以上でフォントのインストールは完了です。
ちなみにですが、東風は「こち」と読みます。
「とんぷう」と読んだ人は麻雀のやり過ぎなので、勉強してください。
Noto Sans CJK JP
※上から、thin、regular、blackの3段階の太さ
オープンソースでこのレベル! と思わず唸りたくなるレベルの高いフォントがこちら。
さすが、GoogleとAdobeがタッグを組んで作ったフォントだけあります。
ただ、容量が・・・。
When text is rendered by a computer, sometimes characters are displayed as “tofu”.
この一文で日本語圏のユーザーの心は鷲掴みでしょう。
ちなみに、Notoというのも、「no more tofu」のNoto、なのだそうで、四角のヤツはもう表示させないぜ的な強いメッセージの現れのようです。
「Noto Sans Mono CJK JP」の方は、やや太めなので、苦手な方は「Noto Sans CJK JP」の方で好みにあった太さに調節するといいでしょう。
インストール方法は以下の通りです。
wget https://noto-website-2.storage.googleapis.com/pkgs/NotoSansCJKjp-hinted.zip unzip NotoSansCJKjp-hinted.zip sudo mkdir /usr/share/fonts/NotoSansCJKjp sudo mv NotoSans* /usr/share/fonts/NotoSansCJKjp/
zipの中のフォントファイルの拡張子が「otf」になっていますが、特にttfと扱いは変わらず利用できるようです。
こちらのフォント、先にも書きましたが、GoogleとAdobeが共同開発したものです。よって、リリースもそれぞれで行われており、Noto SansはGoogleからリリースされたバージョン、源の角ゴシック(げんのかくごしっく)というAdobeサイドからリリースされたバージョンもあります。
多少の違いはありますが、概ね同じものという認識で良いようです。
源の角ゴシックというのは、源の角ゴシックを含む「Source Han Sans」というフォントファミリーの日本語部分を指すものだそうですが、わかりにくいですね。
どうしてこんな事するんでしょうか・・・。
このフォントをベースにした派生フォントも検索すればたくさん出てきますが、ベースフォントの完成度が高い分、なかなか遊び心を多分に発揮したものが多い印象です。
Takaoフォント
一部のLinuxディストリビューションでは、このTakaoフォントがデフォルトの日本語フォントとして使われています。
それもそのはずで、TakaoフォントはIPAフォントの派生版。
リリースサイクルが穏やかなIPAフォントを小回りの効く形でメンテナンスするために生まれたのがTakaoフォントという訳なのだそう。
ちなみにTakaoとは、IPAフォントの元になった、TBフォントのデザイナー、林隆男氏から頂いたそうです。
もう一つ突っ込んだ薀蓄を傾けると、TBフォント自体は有料フォントで、TypeBank フォントファミリー TBゴシックで購入が可能です。
インストール方法は以下の通り。
#URLは wget https://launchpad.net/takao-fonts/trunk/15.03/+download/TakaoFonts_00303.01.zip unzip TakaoFonts_00303.01.zip sudo mkdir /usr/share/fonts/TakaoFonts sudo mv TakaoFonts_00303.01/Takao* /usr/share/fonts/TakaoFonts/
フォントよりも薀蓄の方が多くなってしまいましたね。
以上です。