【サーバー移行】Alibaba Cloud Server Migration Center【マイグレーション】
目次
技術営業部の大原です。
今回は Alibaba Cloud(アリババクラウド)が提供するマイグレーションサービス「Server Migration Center(SMC)」について記載します。
(2022年1月時点の情報です)
Server Migration Center(SMC)の概要・特徴
Server Migration Center(以下、SMC)は、Alibaba Cloud によって開発されたサーバー移行プラットフォームで SMC を使用すると、1つ以上の移行元となるサーバーを Alibaba Cloud に移行できます。移行元となるサーバーは、データセンター内のサーバー・仮想マシン・他のクラウドプラットフォーム上のホストが対象となります。
また SMC は、移行元となるサーバーから Alibaba Cloud への自動でのデータ移行をサポートします。SMC では次の機能が提供されています。
増分データの移行
○ サービスを中断することなく、移行元サーバーの増分データをAlibabaCloudに同期できます。
※ 参考:Migrate incremental data from a source server
一度に複数のサーバーを移行する
○ SMC コンソールで、一度に複数の移行タスクを開始できます。
○ SMC のAPI操作を呼び出して、移行タスクを作成および開始し、移行の進行状況を照会し、一度に複数の移行タスクを管理できます。
※ 参考:API operations
マルチスレッドデータ送信
○ SMC クライアントは、マルチスレッドデータ送信をサポートします。高帯域幅が利用可能な場合、この機能により帯域幅の使用率と伝送効率が向上します。
※ 参考:Enable multi-threaded transfer acceleration
タスクプロセスの一元化された監視
○ 一度に複数の移行元サーバーを Alibaba Cloud に移行する場合、SMC ではそれぞれの移行元サーバーの移行ステータスを監視できます。
○ それぞれの移行元サーバーまたは移行タスクのステータスは、SMC コンソールで確認できます。これにより、移行中に発生する可能性のある問題を特定することができます。
Server Migration Center(SMC)の利点
多様なプラットフォームとインフラ環境からの移行
○ SMC を使用すると、様々なバージョンの Windows や Linux の OS を実行するサーバーを移行できます。
※ 参考:Limits
○ SMC では、データセンター / オンプレミス仮想マシン(VM)/ クラウドプラットフォームのサーバーから、Alibaba Cloud にデータを移行できます。
・サポートされるVM:VMware / VirtualBox / Xen / KVM / Hyper-V
・サポートされるクラウドプラットフォーム:Amazon Web Services(AWS)/ Microsoft Azure / Google Cloud Platform(GCP)/ Tencent Cloud / UCloud / China Telecom e-Cloud / QingCloud
移行元サーバーの基盤となる環境からの独立性
○ 物理からクラウド(P2C)/ 仮想からクラウド(V2C)/ クラウドからクラウド(C2C)のタイプの移行と、複数のタイプのファイルシステムとディスクをサポートします。
○ サービスを中断せずに移行するので、移行元のサーバーで実行されているサービスを停止する必要はありません。
○ インストールを必要としない軽量のクライアントなので、複数の移行方法を提供し、必要に応じた方法を選択できます。また 移行タスクを開始すると、SMC は移行の進行状況全体を管理します。
○ デフォルトでは 2048ビットのRSAキーを使用して、データ送信中にデータを暗号化するので、安全なデータ送信を実現します。SMC を使用すると、VPNゲートウェイや Alibaba Cloud Express Connect が提供する物理接続などのプライベートネットワークを介してサーバーを移行できます。
Server Migration Center(SMC)の移行プロセス
SMC は、SMC クライアントとSMC コンソールで構成されます。次の図は、移行に SMC を使用する方法を示しています。
※ 参考:Migration process
まとめ
サーバーの移行先が Alibaba Cloud 限定になりますが、現時点でここまで汎用性が高いマイグレーションツールは無さそうなので、マイグレーションの機会があれば一度お試しください。