【円安対策】クラウド利用料をコストカットする方法
目次
中国オフィスの大原です。
クラウドサービスは、多くの企業にとって必要不可欠なインフラですが、最近は日本の円安・物価高に伴う料金値上げが原因で、毎月のクラウド利用料を見直したい会社も多いと思います。特に、外資系のクラウドサービスの支払いでは、USD(米ドル) での支払いが大半なので、為替レートに大きく影響されます。
今回の記事では、あくまで「コストカット」の部分に焦点を当て、毎月のクラウド利用料を削減・節約する方法をご紹介します。
※ 2024年5月時点の情報です。
① クラウドリソースの最適化
不要なクラウドリソースの削除
クラウドサービスを長期間利用していると、不要なリソースが蓄積してしまうことがあります。これらを定期的に見直し、すでに使用していない仮想サーバーやストレージ・ネットワークリソースなどを削除することで、余分なコストを削減できます。
また、クラウドを提供するプロバイダーによっては、クラウドリソースの利用状況を自動でモニタリングするツールもあるので、クラウドリソースを継続的にモニタリングし、無駄なリソースの削減や最適化のポイントを見つけることが重要です。
リソースの最適化と自動化
クラウドの強みの一つは、必要に応じてリソースを増減できることです。リソースの利用状況をモニタリングし、ピーク時にはリソースを増やし、オフシーズンにはリソースを減らすような自動スケーリングやサーバーレスアーキテクチャを構成することで、過剰なリソースの使用を防ぐことができます。
例えば、AWS だと Auto Scaling の機能を使用したり、AWS Lambda などのサーバーレスアーキテクチャを活用することで、必要なときだけリソースを使用することができます。
② サブスクリプションプランの見直し
リザーブドインスタンスの活用
クラウドサービスを提供するプロバイダーによっては、リザーブドインスタンスという長期契約による割引が提供されています。
その代わりに、クラウドプロバイダーのサービス仕様によっては、必要なリソースを一括前払い・インスタンススペックの途中変更が不可などの制限もありますが、長期間の利用が決まっていたり、頻繁に使用するリソースであれば、リザーブドインスタンスの導入を検討しましょう。
スポットインスタンスの活用
こちらも、クラウドサービスを提供するプロバイダーによっては、クラウドプロバイダーが未使用のリソースを低価格で提供するスポットインスタンスというオプションがあります。
一時的な作業やバックグラウンドタスクには、スポットインスタンスを活用することでコストを抑えることができます。
③ インフラサービスの比較
クラウドプロバイダーを使い分ける
AWS などの海外製のクラウドプロバイダーは、世界・日本でもトップシェアですが、特にこだわりが無いのであれば、その他のクラウドプロバイダーを利用したり、その他のクラウドサービスを併用するのも方法の一つです。
例えば、海外製のクラウドプロバイダーの Oracle Cloud であれば、元々のサービス単価が低料金なのでコスト削減になりますし、CDN(Contents Delivery Network)の部分であれば、Cloudflare を利用すれば、データ転送量ごとの従量課金がありません。(Enterprise プランは除く)
また、さくらインターネットなどの日本製のクラウドプロバイダーであれば、サービス上は USD の為替レートの影響が無く、データ転送料の従量課金も無い(CDN などの一部サービスを除く)ので、毎月に支払うコストの予算も把握しやすくなります。
オンプレミスのインフラ環境を利用する
システムやアプリケーションの用途や目的に応じて、オンプレミス(物理サーバー)の環境を利用したり、極端な方法ですが、クラウドからオンプレミスのインフラ環境へ移行する方法もあります。
オンプレミスではインフラ環境を、自社の施設または自社が指定するデータセンターで管理するため、クラウドプロバイダーのサービス使用料に依存することなく、インフラのコストを制御できます。
もちろん、最初のハードウェア購入やネットワーク回線の敷設などの初期投資、定期的に発生するハードウェアの保守更新費用の捻出などを、事前に予測しておく必要はありますが、長期的には一定の費用で運用できるケースが多いため、コストの予算計画を立案しやすくなります。
ただし、オンプレミスのインフラ環境を利用したり、オンプレミスに移行するには、企業や組織のニーズや目的によって異なるため、慎重に検討する必要があります。
● クラウドサーバーとオンプレミス(物理サーバー)との比較・違いを教えてください
https://beyondjapan.com/pt-faq/server-comparison
④ 社内のコスト意識の強化
コスト意識の向上とトレーニング
クラウドサービスのコストを削減するためには、まず社内のメンバー全体がコスト意識を持つことが重要です。コスト削減に向けた意識改革を進め、無駄なリソースの使用を削減することが大切です。
また、クラウドサービスを効果的に利用するためには、メンバーに対する適切なトレーニングも必要になってきます。クラウドサービスの効率的な利用方法や、コスト削減のベストプラクティスを学習することで、クラウド利用料の削減を期待できます。
見えないコストを省力化する
クラウドサービスのコスト削減を実現していくには、自社の社内リソースだけでおこなうのがベストですが、企業や組織の状況によっては、自社の社内リソースだけでは賄えきれない場合があります。
例えば「ビジネスの本業に注力しているので、この分野のタスクに手を回せない」や「クラウドサービスやインフラを扱えるエンジニアが居なくなった、あるいは、社内メンバーの技術スキルが足りてない」などの状況が考えられます。この状況化で、自社の社内リソースだけで賄おうとすると、余計に社内の工数や労力が掛かってしまい、「見えないコスト」が膨れ上がる可能性もあり、最悪「クラウドの設定に失敗して、システムが動かなくなった」などのトラブルに見舞われるかもしれません。
そのような場合であれば、MSP(マネージドサービスプロバイダー)に、自社が利用しているクラウドやインフラ環境のアドバイス・運用をアウトソースする方法も検討しましょう。
MSP は、企業や組織のITインフラ(サーバーやネットワーク・データベースなど)やアプリケーションに対して、専門的な観点からシステム構築や運用保守・監視の代行をおこなう事業者のことです。システム更新やセキュリティ管理・データバックアップ・システム障害時の復旧対応など、継続的な技術サポートに加えて、クラウドの技術や知見を備えたコンサルティングをおこなっている MSP も存在します。
なお、MSPベンダーによって、サポート体制や範囲・得意分野・料金体系が異なるので、自社にマッチするMSPベンダーを選定することをオススメします。
まとめ
以上、クラウド利用料をコストカットする方法をご紹介しました。
企業や組織にとってコスト削減は課題の一つです。常日頃からこれらのような選択肢を持っておき、状況に応じて使い分け、意思決定することが重要です。
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