【Webシステム開発|AWS 構築・運用保守】東京書籍 様
今回は、ビヨンドのWebシステム開発・クラウド構築・運用保守サービスをご利用いただいている東京書籍株式会社様に、実際のご利用状況やご感想をお伺いしました。
サービスの統括をされている、東京書籍株式会社の嶋田様、【total ID】【タブドリLive!】【みんなにもっとNIMOT!(以下、NIMOT!)】の各サービスをご担当されている、秋場様、日野様、宮下様にご登場いただいています。
東京書籍株式会社(※右から順に)
教育DX局 DX開発本部 教育システム開発部 部長 嶋田 将人 様
教育DX局 DX開発本部 教育システム開発部 第二チーム 係長 日野 綾香 様
教育DX局 DX開発本部 教育システム開発部 宮下 滉司 様
教育DX局 DX開発本部 教育システム開発部 システム開発統括チーム チームマネージャー 秋場 武晃 様
――御社の事業についてお聞かせください。
嶋田さま:東京書籍は 1909(明治 42)年創業であり、「教育と文化を通じて人づくり」を企業理念とし、新しい時代に挑戦する個性的、創造的な人材の育成をめざしています。小・中・高等学校の教科書発行部数が最多の教科書業界最大手の出版社です。近年、デジタル教科書など教育用デジタルコンテンツの開発・販売にも注力しています。その他、教育総合ポータルサイト運営、学力・体力テストなどの各種評価事業、一般書籍の発行など教育と文化に係る幅広い事業活動を行っています。
――弊社のサービスを導入するに至った背景を教えてください。
秋場さま:当時、部署ごとに様々な教材サービスが作られており、それぞれに独自のログイン機能が備わっていました。そのため、学校でサービスを利用するユーザー様は、システムごとに個別のアカウントを登録しなければならず、利用の手間がかかっていました。このような状況では、新たな商品が増えるたびに、個別のログイン機能を開発しなければならず、弊社もユーザー様も非常に負担となります。そのような背景があり、ログイン機能を統合できないかというニーズが高まっていました。
こうした経緯から社内プロジェクトが立ち上がり、以前からお付き合いのあった企業様をきっかけに、ビヨンドさんを知ることになりました。
当初、「開発が終わったらインフラの運用だけを依頼する」という話から始まりましたが、実は開発も手掛けていらっしゃると伺い、依頼先候補としてビヨンドさんが浮上しました。当時、複数の開発会社が候補に挙がっていたものの、中にはクラウドに不慣れな会社もあったためです。
本格的なクラウド導入はまだ検討段階ではありましたが、時代の流れと将来的なユーザー数の増加を鑑み、クラウド対応は不可欠だと判断しました。その点で、ビヨンドさんの豊富な実績と高いクラウド技術力は非常に信頼でき、安心して任せられると感じたため、貴社に開発をお願いすることになりました。
弊社にとってインパクトが強かったのがゲーム系の大手さんの実績があるといった点です。最初にいろいろと打ち合わせをした際もサービスのレスポンススピードをコンマ単位で指定され、運用していることを知り、大規模なユーザー数の処理を任せられると確信しました。
最初に『total ID』の実績を作っていただきましたので、その後、社内の他のプロジェクトである『タブドリLive!』や『NIMOT!』の企画が立ち上がる際に、ビヨンドさんをご紹介させていただきました。
――具体的にビヨンドがお役に立っている部分はどのような点でしょうか。
秋場さま:『total ID』は、アカウントを管理するシステムで、外部に見える部分はごく一部です。表には見えませんがバックエンドでは各種サービスを連携させるため様々な処理が実行されています。それらをきっちりと捌けるように対応していただいています。特に年度をまたぐタイミングでは、ユーザー様から多数の問い合わせが寄せられますが、その際にもエンジニアの方に迅速に対応していただいております。
また、運用面でも対応していただいており、レスポンスの速さや、対応できるかどうかをしっかり判断してフィードバックをいただける点も大変助かっています。開発の現場では、次々と新しい案件が発生する中で、仕様の検討に迷う場面や、こちらから曖昧な要望を出してしまうこともありますが、そうした際にも、常に課題を的確に整理し、ご担当の方が分かりやすく資料をまとめてくださるので、大変助かっています。時には無理なお願いをしてしまい、夜遅くまでご対応いただくこともありますが、そのご尽力には本当に感謝しています。
多くの会社が開発中には保守を別にしている中で、ビヨンドさんは開発期間中もメンテナンスや保守をしっかりと兼ねてくれる柔軟な対応も助かっています。そして、特に助かっているのは、開発とインフラの両方を担っていただいているため、何か問題が発生した際に丸投げでお願いできる点です。
インフラを担当する会社とアプリケーションを担当する開発会社が異なる場合、問題の切り分けは容易ではありません。例えば、ユーザー様から「画面が開けない」といった問い合わせがあった際には、サーバー側の問題なのかアプリケーションの問題なのかを判別しなければなりませんが、現状であれば、一旦ビヨンドさんに発生しているトラブルの内容を伝えるだけで、すぐに様々な調査を行っていただいています。丸投げであっても、インフラ側の問題かアプリケーションの問題かをきちんと切り分けて対応していただけるので、非常に助かっています。このような対応は、一社で開発とインフラの両方を担っているからこそできることであり、対応スピードも含め他の会社ではなかなか実現できないと思います。
日野さま:『タブドリLive!』の前身となったサービスは、様々な課題を抱えていました。レスポンスひとつとっても、速くなく、例えば、グラフに表示するデータは呼び出されてからその場で集計を開始していたので、Loading時間が長く、ユーザビリティもあまりよくない状態でした。そのような課題を改善するため今回の『タブドリLive!』では、リアルタイムで表示できる学習履歴と夜間に集計処理を実行し、次の日になったら見られる学習履歴に分けるといった方法や、さらなる高速化に向けて処理の最適化など、学校端末のようにスペックが高くないGIGA端末でもサクサク動くように、ビヨンドさんには色々と工夫していただきました。
ドリル教材は、全体のビジュアルとなるフロントエンドが注目されがちですが、実際に運用していく中で、実はバックエンド側の処理が肝であると感じています。データの管理や処理に始まり、パフォーマンスやセキュリティーなど、『タブドリLive!』の根幹となる重要な部分を担っていただいておりますが、安定した稼働や運用を行っていただき、本当に助かっています。
――元のタブレットドリルから大きくシステムを作り変えることになった背景には、何か特別なきっかけがあったのでしょうか?
日野さま:GIGAスクール構想という、すべての児童生徒に一人一台の学習端末と、高速・大容量の通信ネットワークを整備がありました。当初は、2023年度までに環境整備を進める計画でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年度内に端末の配備とネットワーク環境の整備を完了させることが目標となり、急ピッチで対応が進められました。そこで前身となるデジタルドリル教材が注目され、導入数が伸びるとともに、導入していたものの使用頻度が少なかった学校が急に活用を始めたため、当初の設計の際に見込んでいたユーザー数を軽く超えてしまいました。
こうした環境の変化に対応するために『タブドリLive!』を開発することになりました。『タブドリLive!』になってからは学校現場の好意的な評判や意見を耳にすることが多くなりましたね。開発してくださったみなさまには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
宮下さま:私はもともと営業担当をしており、部署を異動したタイミングで『NIMOT!』のサービスに関わるようになりました。私が異動してからリリースまでの期間はわずか半年と短く、何も知らない状態からのスタートで、困っていた部分も多くあった中、ビヨンドさんのエンジニアの方々がシステムに関する様々なことを丁寧に何度も説明してくださり、徐々に理解を深めることができました。
『NIMOT!』に関わっている他の企業様からの問い合わせで私が理解できない点があっても、ビヨンドさんに相談すると、エンジニアの方が的確に情報を読み取り、スムーズに対応していただけます。さらに、その内容を噛み砕いて私に説明していただけるので、私自身も理解を深めることができています。
『NIMOT!』に関しても、前身のサービスがあり、だいぶ古くなっていたので、今回のリニューアルでこれだけ良いものに仕上げていただき、とても満足しています。
――サービスをご利用いただいての感想を教えてください。
秋場さま:おかげさまで『total ID』は現状非常に安定して稼働しています。令和6年度に多数のサービスのローンチが迫っている中で、ビヨンドさんへ「ユーザー数が100万人を超えてしまいますが、同時アクセスされても大丈夫ですか?」といったご相談をさせていただきました。その際に、同タイミングでの大量ログインに対し適切な処理ができるように負荷試験を実施いただいたこともあり、現状は十分耐えられるスペックになっているのですが、その当時は大丈夫かとドキドキでした。実際新しい年度が始まった際には相当なアクセスが来ましたが、大きな問題はなく安心しました。現在は200万人を超えるユーザー数を抱えていますが、ログインに問題はありません。
また、対応の速さが素晴らしく信頼のおける人たちだと思っています。もちろんバグが皆無というわけではありませんが、何か問題が発生した際には、真摯に向き合ってくれる点が特に印象的です。実際、我々が未然に気づかない問題について、「こういったことがありました」と報告していただけることもありますし、それに対しても迅速に対応していただいています。
『total ID』の仕様については、他のシステムとの連携があり、『タブドリLive!』や『NIMOT!』との連携に必要な機能開発を調整する必要がありますが、その点でもビヨンドさんの社内で一旦、要点の整理をおこない仕様を策定してくれるため非常に助かっており、頼りになる会社だと感じています。
日野さま:今回『タブドリLive!』に関しては、フロントエンドが主導で仕様検討が進んでいったこともあり、みなさん大変だったと思います。実現できるのかなぁ...?と思う企画もありましたが、うまく実装していただいたなと感じており、他の会社だとこのようにはできなかったと感じています。
開発だけでなく、保守・運用面も大変助かっています。現在は、24時間365日インフラ周りを常に監視していただいており、アラートが発生した場合でも迅速にご確認いただき、原因調査までノンストップで進めていただけるので、非常に安心感があります。ユーザー様からの問い合わせにも即座に対応いただけるので、本当に欠かせない存在ですね。
宮下さま:良い意味で、外部の会社の方という感じがしません。些細なことかもしれませんが、ちょっとした言葉遣いやメールやチャットの文末の「!」などの細かな部分からも、一つのチームとして社内に入っていただいているような感覚があり、とても仕事がしやすいです。
また、こちらから連絡した際に、連絡した方と別の方からご返信をいただくこともありますが、その場合でも会話の内容がきちんとつながっており、社内での情報共有がしっかりされているのを感じます。私のこれまでの経験からすると、情報が個人に完全に紐づいており、別の方に尋ねても何もわからないということが多々ありました。しかし、誰に聞いても全く同じ回答をいただくなど、複数の方とやり取りをしていても、一人の方と話し続けているかのような感覚で仕事が進んでいくことが素晴らしいと思います。
――今後私たちに期待されることは何でしょうか。
宮下さま:『NIMOT!』に関しては、まずは今以上にユーザーを増やすところを目標にしています。今後ユーザーが増えて大量のアクセスが集中した場合でも、ユーザーが常に安定して利用できるように、運用をお願いしたいと思っています。
日野さま:『タブドリLive!』は、サービスリリースからおよそ一年が経過しました。4月にあった大量に蓄積された学習履歴の年度更新作業もお陰様で無事に落ち着き、システムも安定しております。一方で、学校現場からあがってくる課題や要望に向けて、新規開発を進めていきたいと考えておりますので、今後ともぜひご協力のほど、よろしくお願いいたします!
秋場さま:『total ID』は一通りの基本的な機能はすべて実装いただき、安定して運用していますので、これからも引き続きその安定した運用を続けていただければと思います。
――今後の事業展開について教えてください。
秋場さま:『total ID』は、現在、他社のアカウント管理サービスとの連携を積極的に進めています。この方針は、『total ID』が誕生したきっかけでもある「様々なシステムに分散しているアカウント管理を統合したい」というニーズが、多くの企業にとって共通の課題となっているからです。すでに他社のアカウント管理システムとの連携開発も進んでおり、これにより今後のアカウント数は飛躍的に増加すると予想しています。
日野さま:『タブドリLive!』と『NIMOT!』はそれぞれ別に開発していますが、売り方としてはセット販売もしています。そのため、今後は『タブドリLive!』と『NIMOT!』の連携、または他のサービスとの連携含めてサービス間で連携していく試みも検討していきたいと思っています。
――本日は貴重なお話をありがとうございました!
会社名 | 東京書籍株式会社 |
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事業内容 | ● 教科書・学習教材・学習参考書 ● 指導用教材 ● 教育用デジタルコンテンツ ● 学力調査/体力調査 |
利用用途 | 共通アカウントシステム 「total ID」 Live!型ドリル教材! 「タブドリLive!」」 キミの中の「!」が見つかる新しい場所「みんなにもっとNIMOT!」 |
サーバー環境 | Amazon Web Service(AWS) |
利用サービス | サーバーサイド開発(API) クラウド / サーバー設計・構築 クラウド / サーバー運用保守・監視(24時間365日) |