【2021年】年末調整・確定申告時に受けることのできる所得控除一覧【損しない】
目次
こんにちは、管理部の坂下です。
この時期は、年末に向けてみなさん忙しい時期ですし、
年末調整や確定申告のための書類集めなどでも、バタバタしてると思います。
「年末調整・確定申告は知ってるけど、そういえばどういう所得控除があるのか簡単にしか知らない。」
「そもそも自分がどの所得控除を受けられるのか知らない。」という人のために、
今回は、年末調整や確定申告時にどういう所得控除が受けられるのか簡単に分かりやすく種類別で一覧にまとめました。
所得税の控除とは
所得税の控除とは、所得税の計算において、ある一定の要件に当てはまる場合は、所得額から一定額を控除(差し引くこと)ができる仕組みです。
所得税の控除によって、税負担を軽くすることができます!
受けることのできる控除一覧
① 基礎控除 ② 雑損控除 ③ 医療費控除 ④ 社会保険料控除 ⑤ 小規模企業共済等掛金控除 ⑥ 生命保険料控除 ⑦ 地震保険料控除 ⑧ 寄附金控除 ⑨ 障害者控除 ⑩ 寡婦控除 ⑪ ひとり親控除 ⑫ 勤労学生控除 ⑬ 配偶者控除 ⑭ 配偶者特別控除 ⑮ 扶養控除 |
所得控除は15種類ありますが、適用される控除の種類・金額は多ければ多いほど、節税の効果があります。
つまり、所得控除される額が大きければ大きいほど、その分課税される所得金額が減るので、負担する税金の額が減ることになります。
基礎控除
基礎控除は、合計所得金額が2,400万円以下の納税者であれば、原則として、誰でも適用される控除です。
・2,400万円以下なら基礎控除額は48万円 ・2,400万円超2,450万円以下なら基礎控除額は32万円 ・2,450万円超2,500万円以下なら基礎控除額は16万円 ・2,500万円超なら基礎控除額は0円 |
合計所得金額に応じて控除額は、変動します。
雑損控除
雑損控除は、自然災害や盗難、横領などによる損害を受けた場合に適用される控除です。
地震や台風、大雪、落雷などの自然災害のほかに、火事や泥棒・空き巣被害、従業員の横領、その他にもシロアリ被害による駆除といったケースでも対象となります。
雑損控除は、年末調整の手続きができないため、確定申告をして申請する必要があります。
また、損害額が大きく、その年の所得から控除することができない場合には、繰り越して翌年以降3年間の所得から控除することができます。
医療費控除
医療費控除は、病気やケガで医療費が発生した場合に適用できる控除です。
納税者と生計を同じにする配偶者やその他親族の医療費も合算して控除できるため、同居している妻や息子のほかに、別居しているが仕送りをしている両親の医療費も対象になります。
控除できる金額は、支払った医療費から受け取った保険金や給付金を引いた額から10万円を差し引いた金額です。
原則として、1年間に10万円以上の医療費を支払った場合は、医療費控除の適用を受けることができます。
(実際に支払った医療費の合計金額-保険金などで補填される金額)-10万円 |
医療費控除の対象となる医療費は、病院にかかったときの治療費・処方せんの薬代などのほか、風邪薬などの市販薬の購入費なども含まれます。
医療費控除は、雑損控除と同様に年末調整の手続きができないため、確定申告をして申請する必要があります。
社会保険料控除
社会保険料控除は、国民健康保険料、国民年金保険料、厚生年金保険料、介護保険料、後期高齢者保険料などを社会保険料を支払った場合に適用される控除です。
納税者と生計を同じにする配偶者や親族の負担すべき社会保険料を支払った場合も、支払った金額に応じた所得控除が受けられるため、その全額を納税者本人の所得から控除することができます。
控除できる対象の社会保険料は、以下です。
<健康保険> 健康保険料 国民健康保険料 国家・地方公務員共済組合掛金 介護保険料 後期高齢者医療保険料 <年金> 厚生年金保険料、厚生年金基金掛金 国民年金保険料、国民年金基金掛金 国家・地方公務員共済組合掛金 確定拠出年金 <労働保険関係> 雇用保険料 労災保険の特別加入保険料 |
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業経等掛金控除は、小規模企業共済の掛金などを支払った場合に適用される控除です。
控除できる掛金は、以下になります。
・小規模企業共済法の規定によって独立行政法人中小企業基盤整備機構と結んだ共済契約の掛金 ・確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金又は個人型年金加入者掛金 ・地方公共団体が実施する、いわゆる心身障害者扶養共済制度の掛金 |
個人型年金加入者掛金とは「iDeCo」のことで、iDeCoをしている方は小規模企業共済等掛金控除を受けられます。
控除金額は1年間で支払った全額が対象となります。
生命保険料控除
生命保険料控除は、生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合に適用される控除です。
保険契約の区分ごとに上限控除額が設定されており、平成23年12月31日以前に締結した旧契約と、以後の新契約では生命保険料控除の取り扱いが違います。
控除金額の計算方法も旧契約と新契約で異なりますが、控除金額の最大は12万円です。
もし年末調整が間に合わなかった場合は、還付申告をすることで生命保険料控除の適用を受けれます。
地震保険料控除
地震保険料控除は、地震保険料などを支払った場合に適用される控除です。
支払った地震保険料や、経過措置対象となる長期損害保険料が控除対象となります。
その年に支払った保険料の金額に応じて控除額が決定しますが、控除金額の最大は5万円になります。
寄附金控除
寄附金控除は、国や都道府県、市町村などへ寄付をした場合に適用される控除です。
所得税や住民税などに対して所得控除あるいは税額控除が認められます。
<寄附金控除の対象になる組織や団体>
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ふるさと納税も寄附金控除の1つですし、個人が行った「赤い羽根共同募金」への寄付も寄附金控除の対象となります。
控除金額は次のどちらかの少ない金額から2,000円を差し引いた金額になります。
・その年に支出した特定寄附金の額の合計額-2,000円 ・その年の総所得金額などの40%相当額-2,000円 |
給与所得者がふるさと納税を行って寄附金控除を受けるには、ワンストップ納税制度を利用しない場合は、確定申告が必要です。
また、確定申告を行う際には寄付した団体などから交付を受けた寄附金の受領書(領収書)などが必要になりますので、
受領書は取っておきましょう!
障害者控除
障害者控除は、納税者及び同一生計配偶者、扶養家族が障害者に該当する場合に適用される控除です。
また、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族がいる場合も適用されます。
控除者の区分によって控除の金額は異なり、最大で75万円の控除が受けられます。
寡婦控除
寡婦控除は、配偶者と離婚・死別している場合に適用される控除です。
控除の対象条件は、その年の12月31日の現況でひとり親控除に該当せず、
夫と死別した後に扶養親族が居て合計所得金額が500万円以下、
もしくは夫と死別して合計所得金額が500万円以下の人が当てはまります。
女性のみ対象となりますが、一律27万円の控除が受けられます。
ひとり親控除
ひとり親控除は、納税者がひとり親である場合に適用される控除です。
こちらは、2020年(令和2年分)より適用された控除になります。この場合のひとり親は男親、女親を問いません。
ひとり親控除の対象となる人の範囲は、原則としてその年の12月31日時点の現況で、婚姻をしていない又は配偶者の生死の明らかでない一定の人のうち、次の三つの要件の全てに当てはまるが対象です。
・婚姻関係と同様の事情にあると認められる人が居ないこと ・生計を一にする子どもが居ること ・合計所得金額が500万円以下であること |
要件にすべて当てはまった方は、一律35万円の控除が受けられます。
勤労学生控除
勤労学生控除は、年間の合計所得金額が75万円以下の勤労学生が受けることができる控除です。
給与収入が130万円以下の勤労学生控除の要件に該当する学生で、なおかつ給与所得以外の所得が10万円以下であれば受けることができます。
こちらの控除額は一律27万円です。
配偶者控除
配偶者控除は、年間所得が48万円(給与収入だけの場合は年収103万円)以下の配偶者がいる場合にされる控除です。
配偶者控除は年間48円以下の所得金額の配偶者がいる場合に適用される控除です。
納税者の所得から控除される金額は、納税者の所得に応じて38万円、26万円、13万円と段階的に少なくなります。
なお、納税者自身の所得が1,000万円を超える場合、配偶者控除の適用は受けられません。
配偶者特別控除
配偶者特別控除は、配偶者の年間所得が48万円を超え、配偶者控除の適用を受けられない場合でも、配偶者の年間所得額が133万円(給与収入だけの場合は年収201.6万円)以下であれば配偶者特別控除の適用を受けられます。
納税者の所得から控除される金額は、納税者の年間所得、および配偶者の年間所得額に応じて38万円~1万円となります。
なお、配偶者所得の場合と同様に、納税者自身の所得が1,000万円を超えるようならば、配偶者特別控除の適用は受けられません。
扶養控除
扶養控除は、扶養する家族がいる場合に適用される控除です。
扶養控除の対象になる親族は、その年の12月31日の現況で年齢が16歳以上の人を対象としており、年齢ごとに区分が変わります。
控除金額は扶養親族の区分や年齢、同居の有無で変動し、最大で63万円です。
年末調整時に受けることのできない控除は?
最後に先ほどの各控除の中で、年末調整時に受けることができない控除については、以下になります。
・ふるさと納税などの寄附金控除 ・医療費控除 ・雑損控除 |
こちらは、年末調整を終えたあとに確定申告することによって、納め過ぎた所得税を取り戻すことができます。
所得控除は、納税者それぞれの家庭の事情を考慮し、税負担を公平にするための制度です。
しかし、医療費や寄附金などは支払えば、必ず控除できるものではありません。
内容によっては控除できないものがありますので、確定申告の際には税務署に相談してみてください。
なお、ふるさと納税については、ワンストップ特例制度を利用できる人は、
確定申告自体も不要なので、各自で確認してみてくださいね。
また、住宅ローン控除は所得控除には該当しませんが、上記の所得控除を適用したあとでさらに差し引くことのできる税額控除となっています。
住宅ローン控除を受けるために初年度は確定申告が必要となりますが、2年目以降は年末調整と一緒に手続きできます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
さまざまな控除がありますし、年末調整時に書類の準備と記入するだけで簡単に受けられる控除もあります。
自分が受けることができる控除を理解し、損なく受けれるように、事前にチェックしておきましょう!