【AWS構築・運用保守】SaaSサービス SNSキャンペーンツール|ピクルス様

今回は、ビヨンドのクラウド構築・運用保守サービスを導入するに至った背景と、実際にサービスを利用した感想について、株式会社ピクルスのタナカ様と山下様にお話を伺いました。

――御社の事業についてお聞かせください。

山下さま:弊社は、SNSキャンペーンツール「キャンつく」と、診断コンテンツ作成ツール「診断クラウド ヨミトル」の2つのマーケティングSaaSを提供しています。

タナカさま:キャンつくは、マーケターが1人でも利用できるという点が強みのSNSキャンペーンツールです。X(旧Twitter)・Instagram・LINE・TikTokなどのSNSで「その場で当たるインスタントウィン」などのプレゼントキャンペーンが簡単に実施できます。ヨミトルは、様々な診断コンテンツが作成できるツールです。商品プロモーションや、ECサイトでのコンバージョンを目的に、さまざまな企業に導入いただいております。AIを用いて診断コンテンツが誰でも簡単に作れるところが強みになっています。

導入事例インタビューピクルス様

株式会社ピクルス 代表取締役 タナカ ミノル様、プロダクト開発部マネージャー 山下 美緒様

――弊社のサービスを導入するに至った背景を教えてください。

タナカさま:以前お願いしていた会社さんの「対応スピード」の遅さに課題がありまして、御社に乗り換えをさせていただきました。

山下さま:実は私的には、サイトの構築から7年ほどお付き合いしており、付き合いが長い分、こちらも慣れがあって、多少遅くても仕方ないかなと思っていた部分は正直ありました。

タナカさま:しかし、僕から見ると、対応スピードがかなり遅いと感じていました。例えばサーバーサイドのトラブルがあっても、レスが来るまで半日以上かかることもありました。状況把握やコスト算出、スケジュール提案、具体的な対応まで含めて、最初の相談から実際に動き始めるまで1〜2ヶ月くらいかかるのが当たり前でした。

山下さま:私はずっとそのやり方に慣れていたので、仕方ないのかなと受け止めていました。それでも、タナカが「これは経営的に大きなリスクじゃないか」と言ってくれて、改めて「サービスを提供する側としてこの遅さはまずい…」と感じました。

タナカさま:特にサーバー関連の不具合は、お客様側から見たら大問題だと思います。それなのに、対応に時間がかかりすぎるのはリスクが高いので、僕から山下に、「このままで本当に大丈夫なのか」「他社の保守運用はもっと早い可能性もあるよね」と確認しました。

山下さま:それがあり、他のサーバー構築や保守をやっている会社の実情を調べてみました。いざ調べ始めると、圧倒的にレスポンスの早いサポート体制を持っている企業があるのが分かりました。7年間ずっと「対応が遅いこと」が当然だと思っていたけど、実はそうでもないのか…と感じました。

タナカさま:結局「このタイミングで乗り換えを検討しよう」という話になりました。OSやPHPのバージョンアップも重なり、対応の遅さが余計に足かせになっていましたので...社内的にもサービスの安定提供を第一に考えるなら、やはり「コミュニケーションを軸に迅速に動いてくれる運用会社に変えたほうがいい」という結論になりました。

――どのような経緯でビヨンドを知りましたか。

山下さまウェブで検索して知りました。タナカと「運用会社をどうするか」話していて、いろいろ調べた中にビヨンドさんの名前が出てきたのが最初です。何社かピックアップしたうちの一つという感じです。

タナカさま僕は、山下がリストアップした会社さんの一つという認識でした。

――最終的に何が決め手で弊社を選んでいただけたのでしょうか。

タナカさま僕たちが重視していたのは、まず「スピーディーに対応できるか」です。そこが以前の会社さんでは大きな問題でした。次に「どれだけ幅広い相談に応じてもらえるか」もポイントでした。その点、他に候補に挙がった他社さんだと「ここまでの相談なら対応可能です」とマニュアル的な対応でした。それに比べると、ビヨンドさんはちょっとした知見的な相談にも柔軟に答えてくれる印象があって、そこがかなり決め手になりました。

山下さま私たちには専門のインフラエンジニアがいないので、サーバーの構成や運用保守で相談する機会がどうしても多くなります。そのようなときに「気軽に相談できるか」「リスクがあったときに素早く動いてもらえるか」が決め手になりました。実際、事前に何度もミーティングでお話させてもらいましたが、技術的な知見をしっかり持っていて回答も早かったです。そのギークっぽさが安心感につながり、最終決定の後押しになったと思います。

タナカさま実際、ほかの会社だと断られそうな相談でも「一度考えてみましょう」と柔軟に検討してくれました。そこが印象的で、最終的に「この会社なら新しい取り組みにも付き合ってくれそうだ」と思えました。

山下さまそれと、やはりコスト面も大事な要素でした。構築コストや保守コストも弊社が設定したコスト内に抑えていただけることも重要な要素だったのですが、ビヨンドさんは想定内に抑えて提案をしていただけたので良かったです。

SNSキャンペーンツール「キャンつく」

SNSキャンペーンツール「キャンつく」

――どのようなサービスでビヨンドのサービスを利用していますか。

山下さま「キャンつく」のサーバー構築と運用保守をお願いしています。キャンつくは、ハッシュタグ付き投稿やリポストされた投稿を収集するシステムで、多数のSNSに対応しているのが特徴です。

タナカさま具体的には、X・Instagram・LINE・TikTokの4つです。いずれもAPI経由でデータを取得しているので、インスタントウィン形式のキャンペーンを実施する際には「当たり・はずれ」を即時にサーバーで処理しアウトプットしなければなりません。そのためアクセスが集中するとサーバー負荷が非常に高くなります。今まではロードバランサーがなかったので、大量アクセス時にレスポンスが遅くなることがありました。そこで今回のサーバー構築では、ロードバランサーを導入した複数台構成を整えて、オートスケーリングにも対応できるシステムへアップデートすることになりました。

山下さま一部の構成については、ビヨンドさんから「実績がないから代案を考えます」というご提案をいただきましたが、最終的にはこちらの希望する形で実装してもらいました。普通なら「実績がないなら厳しい」と断られるケースも多いと思うのですが、新しい方法にチャレンジしていただき、しっかりサポートしてくれたので、さらに信頼感が高まりました。

タナカさま今回は当社の要望に寄り添う形で構成を最適化していただきましたが、SNSのキャンペーンで想定以上に反響があったときでも、サーバーが耐えられる体制になりました。インスタントウィンのような負荷がかかる仕組みにも十分対応できる強固な基盤を作れたのは本当にありがたいと思っています。

ピクルス様「キャンつく」環境の構成図

ピクルス様「キャンつく」環境の構成図

――具体的にビヨンドがお役に立っている部分はどのような点でしょうか。

山下さま古いサーバーから新しいサーバーに移行するとき、実はPHPのFPM環境を扱うのが初めてで、思った以上に細かい変更が必要になりました。具体的には、エラーログの出力先をどうするか、PHPのミドルウェアの調整などです。「こういう場合はどうすれば?」と疑問が次々出てきたのですが、それをビヨンドさんに相談すると、「ではそこはこうしましょう」とすごく丁寧に教えてもらえました。

タナカさまこちらがお願いした作業も、数時間後に「対応済みです」と報告が来たりします。今までだと「調べてから連絡します」みたいなやり取りで止まることも多かったのに、すぐ結果が返ってくるので、私たちの作業が中断しなくて済みました。

山下さま実際、移行時もほとんど作業が止まらずにスムーズだったのは本当に助かったなと感じています。

タナカさま他に助かるのが、普段の監視体制です。キャンつくはデータベース負荷が高くなる場面が結構あるのですが、Slackで「負荷が上がっているので確認中です」と連絡が来るのが早いです。一緒に「このSQLクエリが原因らしいですよ」など具体的に情報をもらえるので、こちらもすぐ対応できます。

山下さま以前の環境では、障害が起きて初めて「何かあった?」と気づくような形でした。それがビヨンドさんだと、しきい値をきちんと設定して、問題になる前にボトルネックを特定してくれます。報告もSlackでこまめにしてくれるので、こちらもそのタイミングで対策を考えやすいです。

タナカさままた、弊社側がcronジョブを設定ミスし、急に負荷が上がったときもとても助かりました。あの時も「負荷ヤバいです!(実際は丁寧な言葉です)」と何度もアラートが飛んできたので、すぐ問題に気づくことができました。もしあれがなければ、長い間気づかずに放置していたと思います。

山下さま:そのおかげでアプリケーション側の設計自体を見直すきっかけにもなりましたので、ミスを発見して止めるだけではなく、根本の改善ができたのは大きかったです。

タナカさまこまめに連絡をおこなっていただき、ただ監視しているだけではなく「こういうところが原因っぽい」という分析までしてくれます。そしてサーバー負荷も下げられ、結果としてサービス全体の安定にもつながっています。私たちとしては、いろんな面で助かっているなと実感しています。

キャンつく導入事例

キャンつくの導入事例

――サービスをご利用いただいての感想を教えてください。

山下さままず嬉しいのが、メールではなくSlackでやり取りできることです。社内コミュニケーションもほとんどSlackなので、その延長で即時に相談したり連絡を取れたりするのが、とても助かっています。

タナカさまわざわざメールを確認せずとも、リアルタイムに返ってくる感じが心強いです。やっぱりスピード感は重要だなと改めて思います。それとビヨンドさんはその「即レス」文化が、全社的に徹底されている印象を受けています。

山下さま以前は、「こちらから質問をしない限り、新しい提案も情報も得られない」みたいな状況でした。私たちも専門知識が浅い部分があるので、どんな質問をすればいいか分からないことが多くあります。それが今は、困っていることをざっくり伝えても、「ではこういう方法もありますよ」といろいろ提案してもらっています。担当の方々がそれぞれ知見を持って共有してくれるので、「こんなに柔軟に動いてもらえるのか」と感じています。

タナカさま「こうやったらもっと効率よくなりますよ」とか、「そもそもこの設定が負荷を大きくしている原因かもしれません」などのアドバイスを、提案ベースでお話してくれるのはありがたいです。こちらも「そうなのか」と学びながら改善できます。

山下さまあと深夜帯の対応に関しても助かっています。キャンつくは深夜にアップデートしないといけないケースが多いのですが、以前の会社だと「深夜対応はオプションになります」みたいに都度追加料金がかかりました。その費用がちょっと高額だったので「夜中に止めるのを別の日にする?」とか社内調整が大変でした。

タナカさまそれが今は、ビヨンドさんの監視・保守サービスだと平日なら深夜帯対応も比較的スムーズに依頼できるので、思い切って夜中に処理を済ませられます。結果、ユーザーが少ない時間にアップデートやメンテナンスを行えるので、サービス停止のリスクをぐっと下げられました。

山下さまその点はありがたいです。実際、大量アクセスが来るタイミングは何時になるか分からない部分もありますが、コミュニケーションを取りながら、すぐに「では夜中に見直しましょうか」と話ができます。以前ではちょっと考えられなかった対応スピードであり、そこがサービス運営側として大きな安心になっています。

診断コンテンツ作成ツール「診断クラウド ヨミトル」

断コンテンツ作成ツール「診断クラウド ヨミトル」

――今後私たちに期待されることは何でしょうか。

山下さままずはやはり、「キャンつく」と「ヨミトル」を一緒に大きく育てていきたいという点です。私たち自身も地道に開発を進めてはいますが、AWSのサービスやインフラ面の解決策はまだまだ奥が深いと思っています。そこを一緒に相談しながら、いわば“伴走”してもらえるのは心強いなと思います。

タナカさまビヨンドさんはゲーム分野の支援実績も多いと聞いています。ゲーム企業は、アクセスが一気に集中することが日常茶飯事だと思います。そのような事例に対応してきた知見があるなら、キャンつくやヨミトルが急成長したときでもしっかり対処法を知っていると思っています。例えば「サービスの利用ユーザーが10倍のユーザーになりました」となっても、「ここをこうスケールさせたら乗り切れますよ」みたいな提案がいただけると期待しています。

山下さま実際、今の段階でも負荷対策は意識していますが、実際に大きくなっていくと想定外の部分で問題が出るかもしれません。そのときに「こんなアーキテクチャがいいですよ」「AWSのこの機能で乗り切れますよ」みたいに背中を押してもらえると心強いです。

タナカさま私たちも「その段階まで成長させなきゃ」というプレッシャーは感じますが、逆にそれがモチベーションにもなっています。ビヨンドさんがいくらでも伸ばせるよ”とサポートしてくれるなら、“もっと頑張って10倍までユーザー増やそう”と気合が入るのです。

山下さま今後もサービスを拡大していくうえで、いろんな相談をしたり実装を一緒に考えたりする場面が増えると思います。そこに対して「何でも気軽に話してください」のスタンスでいてもらえると助かります。

タナカさまこちらから見ても、「AWS周りのことなら幅広く対応できるよ」のような姿勢を感じますから、まさにそういう伴走を期待しているところです。

――今後の事業展開について教えてください。

山下さま目標としては、もっと多くの方にキャンつく・ヨミトルを使っていただくことが大きいです。弊社は「企業同士や企業と消費者の良質なコミュニケーションを生み出す」という方針を掲げています。その点で、導入企業さんが「ここに依頼してよかった」と実感できる成果を出してもらえるよう、どんどん機能を磨いていきたいと考えています。

タナカさま最近だとヨミトルでユーザー管理ができるようにアップデートしました。エンタープライズのお客様ですとセキュリティ的にユーザー管理機能がSaaS導入で重要な要素になっているので、そのニーズに対応した形です。今後も「導入の敷居を下げる」ためにいろいろ取り組み、どんな企業でも「使ってみよう」と思いやすいサービスにしたいです。

山下さまやはりすべてのお客様に対して「安心して活用してもらうための環境整備」が重要かなと考えています。先ほどの負荷対策、セキュリティ面やデータ管理の分かりやすさも含めて、サービスレベルをどんどん上げていきたいです。

タナカさま:そこを考えるとビヨンドさんのサポートが心強いです。サービスを広げるためにも、これからもいろんな面で相談させてもらえたら嬉しく思います。

――本日は貴重なお話をありがとうございました!