クラウドコンピューティングとは?SaaS・PaaS・IaaSの違いは?
こんにちは。インフラエンジニアの菊池です。
今回は『クラウドコンピューティングの背景・形態』を紹介します。
目次
①クラウドとは
②クラウド誕生の背景
③クラウドコンピューティングサービスの形態
④まとめ
クラウドとは
クラウド(またはクラウドコンピューティング)とは、ネットワーク、特にインターネットをベースとしたコンピュータ資源の利用形態のことです。
クラウド誕生の背景
▼「クラウド=雲」という言葉の誕生
クラウドコンピューティングという概念は、1997年に南カリフォルニア大学の教授により提唱されたが、この時はまだ一般社会に普及しなかったそうです。
クラウドが本格的に注目されるようになったのは2006年で、当時GoogleのCEOであったエリック・シュミットが再びクラウドというコンセプトに触れたことがきっかけのようです。
クラウドの概念を「クラウド=雲」という言葉で表現したのも、エリック・シュミットであると言われています。
▼クラウドコンピューティングの実現の背景
クラウドが実現した背景には以下のようなものがあります。
- ネットワーク回線整備による高速化
- 仮想化技術の実用化
→膨大なサーバ群で構成されるデータセンターが提供する処理能力を、ユーザーが利用可能になった
上記よりにユーザーが出来るようになったことには次のようなものがあります。
- データセンターの持つ機能を必要な時に必要なだけ低コストでの利用
- サーバ負荷の増減、新たなリソースの調達等の迅速な対応
クラウドコンピューティングサービスの形態
▼3つに分類されるクラウドコンピューティングサービス
クラウドコンピューティングサービスは、「SaaS」「PaaS」「IaaS」に分類されます。
これらは「どこまでを自前で用意できるか」によって分類されます。
表にすると以下のようになります。
全て自社保有 | IaaS | PaaS | SaaS |
アプリケーション | アプリケーション | アプリケーション | アプリケーション |
OS/実行環境 | OS/実行環境 | OS/実行環境 | OS/実行環境 |
ハードウェア | ハードウェア | ハードウェア | ハードウェア |
※赤文字が提供されるサービス
SaaS:自前で用意なし
PaaS:アプリケーションを自前で用意
IaaS:OS/実行環境・アプリケーションを自前で用意
▼それぞれのサービスの代表例
SaaS、PaaS、IaaSの形態が分かったところで、それぞれにどんなサービスがあるか紹介します。()内は提供元です。
- SaaS
Salesforce(セールスフォース) GoogleApps(グーグル)
- PaaS
Google App Engine(グーグル) Heroku(へロク) FluxFlex(fluxflex)
- IaaS
Amazon EC2(アマゾン) Google Compute Engine(グーグル) ニフティクラウド(ニフティ)
▼クラウドコンピューティングの広まり
クラウドコンピューティングのサービスは以下のような理由から、一部には導入を回避する動きもあります。
- システムの自由度が下がる
- システム障害のリスクが高い
- 情報管理上のリスクが高い
しかしシステムの構築のスピードを上げつつ、処理能力やデータ量に応じたコストのコントロールが可能なため、クラウドの採用が広がってます。
総務省によると、2018年にはクラウドサービスを利用している企業の割合は約6割となっていることが分かっています。
まとめ
クラウドとは、ネットワーク、特にインターネットをベースとしたコンピュータ資源の利用形態のことであり、クラウドコンピューティングサービスは、「SaaS」「PaaS」「IaaS」に分類されます。
クラウドはシステムの構築のスピードを上げつつ、処理能力やデータ量に応じたコストのコントロールが可能なため採用が広がってます。
参考文献:『世界一わかりやすい IT 情報サービス 業界のしくみとながれ』イノウ編著