クラウドサーバーへ移行するメリットとデメリットは?今さら聞けない基礎から解説します!
目次
マーケティング課のナリタです!
クラウドサーバーは、そのコスト面での手軽さと利便性の良さから、多くの企業や組織がクラウドサーバーを利用しています。しかし、物理サーバーにしかない利点も存在し、その優劣は一概に決定できるものではありません。
利用するサーバーを選定する際には、物理サーバーとクラウドサーバー両方の特徴を把握することが重要です。
本記事は、クラウドサーバーに移行するメリットとデメリットについて解説します。エンジニアではない方々にも分かりやすい内容となっていますので、最後までご覧ください!
そもそも ” クラウド ” とは?
クラウドとは、インターネットを経由してサーバーやストレージ・アプリケーションなどのITサービスを利用できる形態などの概念のことを指します。
従来は、サービスを利用するためにソフトウェアをインストールしたり、サーバーを運用する際は、ハードウェアを自前で用意して管理する必要があり、利用できる場所にも制限がありました。
しかし、クラウドが登場したことにより、インターネットにアクセスすることができれば、場所を問わずサービスを利用できるようになります。
クラウドから提供されるサービス
クラウドは、クラウド事業者から提供されるサービスによって、大きく SaaS、IaaS、PaaS の3種類に分けられます。
● SaaS(Software as a Service)
ソフトウェアやアプリケーションの機能を、インターネットを経由して提供するサービスです。従来のようにソフトウェアを使用する際はインストールが必要でしたが、クラウドを利用することによってその手間をかけることなくサービスを使用することができます。
その種類は多岐にわたり、代表的なものとして Google が提供している Gmail や、チャットツールの Chatwork などが挙げられます。
● PaaS(Platform as a Service)
アプリケーションを構築する開発環境のプラットフォームを、インターネットを経由して提供するサービスです。ミドルウェアやデータベースなども用意されているため、インフラの準備や維持も不要で、利用者は開発に専念することができます。
代表的なPaaS製品に、Amazon Web Services(AWS)の Elastic Beanstalk や、Microsoft Azure の App Service、Google Cloud の App Engine などが挙げられます。
● IaaS(Infrastructure as a Service)
プラットフォームを動作させるためのサーバーやネットワーク、OS といったインフラを、インターネットを経由して提供するサービスです。IaaS で提供されている仮想サーバーにアクセスし、そのインフラ基盤の上で自由にプラットフォーム構築やアプリケーション開発を行うことができます。
代表的なIaaS製品に、AWS の Amazon EC2 や、Microsoft Azure の Virtual Machines、Google Cloud の Compute Engine などの、インフラストラクチャ中心のサービスが挙げられます。
ではクラウドサーバーとは?
クラウドサーバーは、インターネット上にある仮想的なサーバーを指し、ネットワークを介して事業者が提供しているサーバーを借り受けることができます。 通常のコンピューターとは違い、クラウドサーバーは遠隔地のデータセンター内に設置されている物理サーバー内に作成されています。
自前で物理サーバーを準備する必要がないため、使いやすく初期費用を抑えられることが特徴です。
※ クラウドサーバーと言っても、この世界のどこかに、物理サーバーのハードウェアが設置されているデータセンターは存在するので、「まったく何も存在しない」という無いわけではありません。
クラウドサーバーが日本に普及したきっかけ
日本でクラウドの注目度が高まったのは、2011年の東日本大震災がきっかけと言われています。震災によって多くの企業や組織がオンプレミスのデータセンターやサーバーを損失し、業務継続が困難になりました。
※ 震災時の被災地域における業務継続の状況についてはコチラ
この状況を打破するべく採用されたものがクラウドです。
震災発生当時は、地方自治体のWebサイトに情報収集のためにアクセスが集中し、接続が困難になるという障害が起こりました。その際に、様々なクラウド事業者が被災地周辺だけでなく、その影響を受けた首都圏までクラウドサービスを無償提供し、災害復興に大きく貢献しました。
震災後、日本の政府もクラウドの重要性を認識し、災害時におけるデータ保護や業務継続のためにクラウドサービスの活用を奨励しました。この出来事を皮切りに、日本でもクラウド利用が急速に拡大していきました。
物理サーバーとの違いについて
物理サーバーは、その名の通り「物理的に存在するサーバー」を指し、企業や組織が自社で管理・運用するケースが多いです。クラウドサーバーと比べると、自社内でハードウェアやソフトウェアを自由にカスタマイズできる柔軟性の高さが魅力です。
しかし、容量を増やしたい場合にはサーバーをもう一台増設しなければならず、その際には高額なコストが掛かってしまいます。そして、物理サーバーを維持するためのメンテナンス・労力も必要です。
対してクラウドサーバーでは、容量を増やす際には契約内容を変更するだけで対応可能なので、物理サーバーよりもコストを抑えることが可能です。そして、クラウドを提供している事業者(クラウドプロバイダー)がサーバーのメンテナンスを行うため、維持にかかる手間を省くことができます。
クラウドサーバーを利用するメリットについて
コスト削減
クラウドサーバーは、物理的なサーバーを保有することと比べてコストを抑えることができます。
ハードウェアの購入や保守にかかる費用を削減できるだけでなく、それを置くスペースや動かすためのエネルギーなど運用コストも削減することができます。
柔軟性と拡張性
クラウドサーバーは必要に応じてリソースを拡張できるため、企業の成長に合わせた柔軟な対応が可能です。
トラフィックの増加やビジネスの変化によっても、柔軟に対応できるため、スケーラビリティの高い環境を提供します。
※ スケーラビリティとは…システムやソフトウェアの拡張性を指します。システムに求められる機能や性能は、その都度の状態によって変化するため、それに応じて機能を向上・拡張させられるか?の構造を表します。
セキュリティと信頼性
データのバックアップや災害復旧のための負荷分散も、クラウドサーバーの利点の一つです。信頼性の高いサーバーインフラを提供することで、企業のビジネスにおけるリスクを最小限に抑えることができます。
管理の簡素化と効率化
クラウドサーバーでは、ハードウェアとソフトウェア(一部)の管理をクラウドプロバイダーに任せることができます。
クラウドプロバイダーがハードウェアの保守やアップグレード・セキュリティパッチの適用などを代わりに行うため、管理の簡素化と効率化が実現し、企業はより戦略的な業務に集中することができます。
クラウドサーバーを利用するデメリットについて
クラウドサーバー自体のランニングコストが高くなる場合がある
クラウドサーバーは初期費用が安く済むと言われていますが、クラウドサーバー自体のランニングコストに関しては、物理サーバーよりも高くなる可能性があります。
理由としては、クラウドサーバーはハードウェアやソフトウェアの購入・保守などに費用がかからない一方で、クラウドサーバーでは一般的に、月額の従量課金制が採用されているため、クラウドサーバーのデータ利用量や稼働時間に応じてランニングコストが発生します。特にデータ利用量は、ユーザーのアクセス状況・業務の繁閑により変動するため、導入検討の計画していたときより、想定していた以上に、クラウドサーバーのコストが掛かってしまうケースがあります。
クラウドサーバーの構築を任せるなら
クラウドサーバーを利用することは、企業の持続的な成長とイノベーションには欠かせないものですが、もしクラウドサーバーへの移行を検討する際には、慎重な事前計画や、クラウドサーバーに関する知見・技術が必要です。
しかし、企業や組織がクラウドサーバーに関する知見・技術を保有していない場合は、適切なITベンダーへアウトソースするなどの選択が重要です。最新のテクノロジーを積極的に活用しつつも、企業のビジネスに合わせたアプローチを取ることが重要です。
なお弊社ビヨンドでは、創業以来、マルチクラウドインテグレーター・マネージドサービスプロバイダー(MSP)として培った技術力で、AWS や GCP・Azure・Oracle Cloud など、様々なクラウド / サーバーのプラットフォームを駆使した設計・構築・移行を行ってきました。
お客様が求めるシステムやアプリケーションの仕様・機能に応じて、お客様向けに最適化された、オーダーメイド型のクラウド / サーバー環境をご提供いたしますので、クラウドサーバーにご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
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