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【サーバー】マルチクラウドを活用するメリットとデメリット【インフラ】

技術営業部の大原です。

近年では、クラウドサービスを企業や組織で利用するケースがスタンダードになりましたが、特定のクラウドサービスだけに囚われず、様々なクラウドサービスを「マルチクラウド」で構成して、システムやアプリケーションの構造を成しているケースも多くあります。

また、メインのインフラは AWS などのクラウドサービスを用いながら、一部のシステム基盤ではオンプレミス(物理サーバー)を併用する「ハイブリッド構成」で運用している企業もあると思います。

今回の記事では、企業や組織向けの「マルチクラウドの構成例」と「メリット・デメリット」を交えてご紹介いたします。

マルチクラウドの構成例

マルチクラウドとは、複数のクラウドサービスを組み合わせて利用するインフラ環境や概念・構成のことを指します。

近年では、クラウドサービスの技術的な進展や、ビジネスニーズの変化などの要因の伴い、マルチクラウド環境の導入や運用を検討・採用する企業や組織が増えている傾向にあります。

マルチクラウドの構成例として、企業や組織が利用するシステムやアプリケーションの要件に応じて、以下のような条件や構成が考えられます。

機能別構成

機能ごとに異なるクラウドサービスを組み合わせて利用する構成です。例えば、IaaS は AWS、PaaS は Microsoft Azure、SaaS は Google Cloud といったように、それぞれのクラウドサービスの得意分野に合わせて利用します。

● 機能別構成の一例

・メインのインフラ環境:AWS 各種サービス
・コンテンツデータの配信:Cloudflare CDN
・データ保管用のオブジェクトストレージ:WASABI
・アプリケーションへの認証基盤:Microsoft Entra ID(旧:Azure AD)
・ビッグデータの分析基盤:Google BigQuery
・コラボレーションツール:Google Workspace

地域別構成

地域ごとに異なるクラウドサービスを組み合わせて利用する構成です。例えば、日本国内のシステムには AWS、海外のシステムには Microsoft Azure や Google Cloud を利用するといったように、そのクラウドを利用する企業や地域の要件に合わせて活用する方法です。

データの冗長性を確保したい場合、異なるクラウドにデータを分散保存し、Amazon S3 と Google Cloud Storage を組み合わせて、異なるクラウドにデータを分散保存することで、データの冗長性を持つことができます。

また、中国に現地法人が存在する企業があれば、中国リージョンが利用できる Alibaba Cloud などのクラウドサービスを利用するのも選択肢の一つになります。

ハイブリッド構成

オンプレミスのシステムとクラウドサービスを組み合わせて利用する構成です。既存のシステムはオンプレミスでそのまま継続運用し、新規のシステムをクラウドで構築するといったケースが挙げられます。

例えば、AWS Storage Gateway や AWS Outposts を用いて、オンプレミス側のネットワーク環境と接続し、オンプレミスとクラウドにあるシステムをシームレスに統合できれば、オンプレミスとクラウドのメリットを享受しながらシステム運用することが可能です。

マルチクラウドを活用する " メリット "

マルチクラウドを採用する理由については、企業や組織によって様々な要因がありますが、それぞれのクラウドサービスの特性を活かしたシステム構築・リスク分散・コスト削減など、その柔軟性と効率性を高めるための有力な手段となっています。

高可用性と冗長性の向上

マルチクラウド構成にすることで、異なるクラウドのプラットフォーム・データセンターなどを利用し、サービスやデータの可用性と冗長性を向上させます。単一障害点を排除することで、企業・組織のビジネスの中断を最小限に抑えることができます。

また、異なるクラウドサービスやツールを活用することで、システム運用の柔軟性も向上するため、特定の用途やニーズに応じた、運用方法を計画することもできます。

ベンダーロックインの回避

それぞれのクラウドサービスには、得意分野や特徴が存在します。例えば、AWS は IaaS や PaaS の提供に強みがあり、Google Cloud には、AIやビッグデータ・機械学習の分野で強みがあります。マルチクラウド環境にすることで、それぞれのクラウドサービスの特性を活かし、最適なシステムを構築することができます。

また、特定のクラウドやプロバイダーに依存せず、複数のクラウドサービスを併用することで、将来のサービス変更や移行の計画を立案しやすく、ベンダーロックインに陥るリスクを回避することもできます。

リスク分散とセキュリティ向上

複数のクラウドサービスを利用することで、セキュリティ脅威やデータ漏洩のリスクを分散し、防御戦略を構築できます。異なるセキュリティ慣行を組み合わせ、より強固なセキュリティ環境を構築します。

例えば、クラウドサービスは、単一のベンダーに依存する形で利用する場合、そのベンダーの障害やサービス停止に伴うリスクを抱えることになります。マルチクラウドを利用することで、複数のクラウドサービスを組み合わせて利用するため、単一ベンダーへの依存を減らし、リスクを分散することができます。

コスト効率の向上

クラウドサービスは、利用した分だけ料金が発生する従量課金制が一般的ですが、リソースの適材適所を考慮した上で、複数のクラウドサービスを併用し、必要な機能やサービスを必要な分だけ利用すれば、コストを最適化できる場合があります。

マルチクラウドを活用する " デメリット "

先述のように、システムやアプリケーションをマルチクラウド構成にすることで、多くのメリットを享受できますが、それと同時にデメリットの側面も存在します。

以下のようなデメリットを踏まえた上で、マルチクラウドを導入を検討・採用するのが望ましいです。

運用管理の複雑さ

マルチクラウド環境では、それぞれが異なるクラウドサービスのため、それぞれに分散しているサービスやリソースを運用管理・統合していく必要があります。

当然ながら、アカウントや管理コンソール・API などが別々に存在するので、管理プロセスの確立やトラブルシューティングが難しくなる場合があります。

技術スキルの要求

企業や組織の自社だけで、マルチクラウド環境の設計や構築、運用保守・監視をおこなうには、広範な技術スキルが必要とされます。

それぞれのクラウドサービスの仕様や操作・ベストプラクティスを理解し、最適な選択をするためには、専門的な知識が求められます。企業や組織において、それらに対する知見や技術・リソースが不足している場合、マルチクラウドの選択や導入が困難となる可能性があります。

コストの見積の難しさ

クラウドサービスの料金モデルやリソースタイプが、クラウドプラットフォームごとに異なるため、コストの見積に時間を要する可能性があります。

また、使い慣れたクラウドサービスに料金モデルを参考にしながら、その他のクラウドサービスのコストを算出したとしても、思わぬリソースの部分で、コスト増になってしまうこともあるので、コストの見積には注意が必要です。

セキュリティとコンプライアンスの懸念

それぞれのクラウドサービスごとに、セキュリティモデルやコンプライアンスの要件が異なります。

セキュリティポリシーの設定やアクセス権限の管理・データの暗号化・SLA などが違うため、セキュリティイベントの統合的な監視や対応も課題となります。

まとめ

マルチクラウドは、クラウドサービスの特性を活かしたシステム構築やリスク分散・コスト削減などのメリットが得られる一方で、運用管理の複雑化などのデメリットが生じる可能性もあります。

マルチクラウドを導入・運用する際には、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自社のビジネスやシステムに最適な構成を検討することが成功の鍵となります。

※ なお、ビヨンドでは AWS や Google Cloud・Microsoft Azure など、様々なクラウドの構築・運用に「マルチクラウド」で対応しております。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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この記事をかいた人

About the author

ohara

通信業界で法人向けのNWサービス・OA機器・グループウェアなどの、IT製品の導入を担当するセールスとしてキャリアをスタート。

その後、SIer系のデータセンター事業会社で、物理サーバー / ホスティングサービスのプリセールスエンジニア、SaaS型のSFA / CRM・BtoB向けのEコマースなどのカスタマーエンジニアを経て、現在のビヨンドへ入社。

現在は、アジアのシリコンバレー中国・深圳に駐在して、中国ドラマと billbill を見るのが日課です。

所有資格:簿記二級