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YAMAHA RTX830 で VRRP を組んでみた

こんにちは。
好きな数字は4096
システムソリューション部のかわです🐹

もうすぐ春ですね。
先日 YAMAHA さんの RTX830 で VRRP検証することがあったので、備忘録がてらに世界に発信しようと思います。

VRRP ってなに?

※ 知ってる人は読み飛ばしてね

■ YAMAHAさん公式ドキュメント⇩
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/vrrp/vrrp.html

説明しよう!
VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)とは、ルーターを冗長化し、ローカル側から2台のルーターを、あたかも1台であるかのように見せかける技術である。

いわゆる HA(High Availability)の一種ですね。VRRP には TCP や UDP は使用せず、プロトコル番号112が使用されます。
これによって障害等が発生した際に、片方がダウンしても、もう片方で引き続き疎通が可能になります。便利ですね。

検証環境

ルーターには YAMAHA RTX830 を2台使用しました。

■ 簡易構成図

ローカルPC(上図の女の子)では、デフォルトゲートウェイとして、VIP(仮想IPアドレス)である「192.168.100.1」のみが見えています(実際は物理IPである「マスタ:192.168.100.2」「バックアップ:192.168.100.3」にも直接接続可能)。

■ 注意点

- WAN側インターフェイスに割り当てるIPは、staticである必要があります!
- 上下にL2スイッチ等必要です!

config

VRRP まわりの基本設定はこれだけ!⇩

■ メイン側(RTX1)

ip lan1 vrrp 1 192.168.100.1 priority=200    #仮想IPの設定。priorityは高い方が優先
ip lan1 vrrp shutdown trigger 1 lan2    #ダウン判断のインターフェイス指定(lan2がWAN)
ip lan1 address 192.168.100.2/24    #筐体側の実アドレス

■ バックアップ側

ip lan1 vrrp 1 192.168.100.1 priority=100
ip lan1 vrrp shutdown trigger 1 lan2
ip lan1 address 192.168.100.3/24

■ WAN側 死活監視用

ip keepalive 10 icmp-echo 1 3 1.1.1.1    #IPは仮

検証の記録

簡易的に、ローカルPCからインターネット宛(192.168.10.1)のping送信を実施しました。

検証その1)ping をVIP:192.168.100.1、インターネット側IP:192.168.10.1宛に継続して、送信中にマスタ側電源OFF時

192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
要求がタイムアウトしました。
192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63

192.168.10.1 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 42、受信 = 41、損失 = 1 (2% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 1ms、最大 = 4ms、平均 = 1ms

192.168.100.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=255
192.168.100.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=255
192.168.100.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=255
要求がタイムアウトしました。
192.168.100.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=255
192.168.100.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=255

192.168.100.1 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 78、受信 = 77、損失 = 1 (1% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 0ms、最大 = 3ms、平均 = 0ms

⇧7行目で ping がタイムアウト。その後約7秒で192.168.10.1宛の疎通が復旧。

同じタイミングで20行目、デフォルトゲートウェイである仮想IPの「192.168.100.1」が、バックアップ機側に切り替わり、ping応答が復旧。

lossもかなり少なく抑えられました。

検証その2)インターネット断発生時(マスタ側WANを物理的に切断)

192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
要求がタイムアウトしました。
192.168.10.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63 

→ ほぼ瞬断レベルで復旧できること確認
→ マスタからバックアップの切り替わりもすぐに行われました。やったねたえちゃん!

いい感じですね。
万が一のときにもなかなかやってくれそうな気がします。

ステータス確認用コマンド

検証時、このへんを使って切り替わりのステータス確認を行いました。

■ VRRP

show status vrrp
# 出力例
show status vrrp
 LAN1 ID:1  仮想IPアドレス: 192.168.100.1
  現在のマスター: 192.168.100.2 優先度: 200
      自分の状態: Master / 優先度: 200  Preempt  認証: NONE  タイマ: 1

⇧メイン側がマスタとして稼働中ですね

■インターフェイスとkeepaliveの確認

show status lan2
show status ip keepalive 

~完~

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かわ けん

システムソリューション部所属
好奇心旺盛ポケ○ン