「エンジニア属人化問題」の解決法は?運用課題について語り合う
広報の藤沢海です。
2019年9月20日、日本MSP協会の「運用課題整理ワーキンググループ」を大阪で開催しました!
なぜやるのか?
- 日本のMSP事業者における運用の現状調査
- 運用現場が直面する課題の整理を行う
この目的をもとに、定期的にMSP事業者が集まり活動を行っています。
今回は、日本MSP協会に所属しているエクストランス様、ハートビーツ様、クララオンライン様、スカイアーチ様にご参加いただき、ビヨンドからは代表の原岡、取締役の森田のほかに、運用に関わるエンジニア数名が参加しました。
↑開催のあいさつはハートビーツの藤崎様。いつもジャージスタイルなんだそうです。
運用ロールモデル勉強会
まずは運用設計ラボの波田野様より、「運用の価値とロールモデル」のテーマでお話をしていただきました。
- 運用における課題とは何なのか
- そもそも運用とは何なのか
- 運用をする人たちの構造はどうしたらよいのか
など、MSP事業者の抱える悩みを共有し、問題解決に向かうための組織体制について考えました。
運用の課題
■高負荷・・・業務が複雑化する
■属人的・・・特定の人しか業務ができない
■見えない費用対効果・・・運用に対する評価が適切でない
こういった課題を解決するには運用を構造化することが必要です。
- 人が理解しやすいようになっている
- システムが取り扱いやすいようになっている
- 論理的に正しいことを検証している
このような体制を作ることで適正な評価、引継ぎ、自動化をすることができます。
弊社が考える、MSP事業者における運用の本質は「お客様の事業を継続、発展させること」。
お客様の課題を共に解決していき、事業継続、発展に貢献しているかどうかで運用の価値は決まると考えます。このためには、ビジネスの継続(会社の全体最適化)だけでなく、運用業務の継続(現場の部分最適化)も必要です。
運用のロールモデル
波田野さんによる「運用はすべてが非属人化でないといけないわけではなく、属人化が必要な面もある」という仮説の元、MSP事業者にあるべき運用ロールモデルをご説明いただきました。
属人化が善(先進性、柔軟性が価値)
- 全体マネジメント
運用に関わる全てをマネジメントできる人(運用マネージャ)
- 全体最適化エンジニア
運用現場の業務設計ができる人(アーキテクト)
組織や人材のマネジメントができる人(VPoE)
- サービス強化型エンジニア
顧客に適切な提案ができる人(セールス)
顧客の要望を適切に汲める人(サポート)
- 技術強化型エンジニア
障害を迅速に解決できる人(レスキュー)
技術的方向性をリードできる人(テックリード)
既存の社内技術を活用して「具体化」できる人(インプリメンテーション)
属人と非属人の橋渡し役
- 正規エンジニア
属人業務を非属人化できる人
非属人的が善(継続性、再現性が価値)
- アソシエイトメンバー
非属人化業務をきちんとできる人
運用の事業を継続可能にするには、属人化が必要な業務をいかに非属人化していけるかが課題であり、「自らの専門性で属人と非属人の橋渡しをできる正規エンジニア」が最も必要とされています。
- 論理的能力・・・論理的な正しさを重視・実践できる
- 抽象化能力・・・対象物を扱いやすくモデル化できる
- 具体化能力・・・現場や現実を直視して最適化できる
こういった能力を身に着けるには、「ちゃんとした手順書を書くこと」が最初の1歩になります。
各社の社内ロール
勉強会のあとは、参加企業からエクストランス様とビヨンドが運用の社内ロールを発表しました。
↑エクストランス 代表の丹羽様。起業したころはたったの5名で運用を行っていたそうで、丹羽様が営業をやりながら会社を大きくしていったそうです。さすが営業出身と言わんばかりにお話が面白く、かつ分かりやすくてさすがでした。
↑ビヨンドからは運用管理課リーダーの柏木が登壇。ダイエットに成功したという自慢を挟みながら運用体制の現状と今後解決していくべき課題をお話しました。
今回、波田野様や丹羽様から運用のあり方についてご共有いただいたことで、社内でも体制を見直すきっかけになりそうです。
24時間365日エンジニアによる有人監視を継続させることで、お客様のサービスの継続も維持できるよう、ビヨンドはこれからも運用第一で事業を展開してまいります!