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【実例あり】カメラマンがスマートフォンで写真をきれいに撮るコツを解説

アイキャッチ画像

こんにちは、WEBサービス事業部の五島です。
前職ではフォトグラファー(カメラマン)やWEBディレクターなどを経験していました。

フォトグラファーとしては、主に人物写真食品に関する写真をよく撮っています。

今までに私が撮った写真の一例は以下の通りです。

 

撮影実績1

撮影実績2

撮影実績3

撮影実績4

他の写真は私のInstagramにて公開しています。

さて突然ですが、あなたはもっときれいでいい写真を撮れるようになりたい!と思ったことはありませんか?

写真に苦手意識がある方は、

  • きれいな景色を撮ったつもりでも、写真だときれいに見えない
  • いつも暗くてぼやっとした写真ばかり撮れてしまう
  • いつもありきたりな写真ばかり撮れてしまう

などといったお悩みをお持ちではないでしょうか?

カメラを触り始めたばかりの頃、私もまさに同じ境地でした。

しかし、フォトグラファーとして5年以上の撮影実務経験を積む中で、今では「なぜうまく撮れないのか」「イメージ通りに撮るにはどうすればいいのか?」をどんどん明確に判断できるようになりました。

この記事では、フォトグラファーとしての私のこれまでの知見と経験を基に、スマートフォンでいい写真を撮るためのコツを実践形式でお伝えしたいと思います。

スマートフォンさえあれば誰でも実践出来る内容ですので、ぜひご覧ください。

この記事で得られる知識

  • 写真の基礎知識が身につく
  • 「何故かいい写真が撮れない…」の原因が分かるようになる
  • スマートフォンでもきれいな写真が撮れるようになる

一眼レフカメラじゃなくてもきれいな写真は撮れる?

一眼レフの画像

きれいな写真を撮るために、「まずは一眼レフなどの高級なカメラを購入しないと…」と考える人は多いかと思いますが、必ずしも一眼レフカメラは必要ではありません。

(それに、最近のスマートフォンのカメラはどんどん高画質に進化していますね。)

少しのコツを意識することで、スマートフォンでも十分にきれいないい写真を撮ることができます。

以下に深堀りします。

そもそも、いい写真とは?

いい写真とは?挿絵

大前提として、いい写真に絶対的な正解などはありませんが、ここでは商業的な視点から「伝えたい情報をより多くの人に的確に伝えられている写真」をいい写真として定義します。

「いい写真」を撮るために「高画質」は必ずしも必要ではない

一眼レフカメラを使うメリットとして、ほとんどの人は「高画質」を最初に思い浮かべるかと思います。

確かに、それはメリットです。

(※他にもレンズ交換が出来るなどのメリットがありますがここでは省略します。)

しかし、「高画質」というメリットは写真で伝えたいことを伝える手段として、あくまでも補助的な効果をもたらすに過ぎないと私は考えています。

一眼レフとスマートフォン、画質の違いはどれくらいあるのか?

一眼レフとスマートフォンでどのくらい撮れ高に差が出るのかを検証するため、一眼レフとスマートフォンで同じ被写体をなるべく同じ撮り方になるように自分の部屋で撮影して比較してみました。以下の写真はいずれも撮って出しの、無加工です。

  • 写真①

  • 写真②

…部屋の壁の汚さが気になりますね

投資にでも成功したらリフォームしようと思います。

余談はさておき、写真①と写真②、どちらが一眼レフで撮った写真か分かるでしょうか?

 

正解は、写真①です。

写真①はCanonのEOS 6Dというフルサイズの一眼レフカメラにCanonのEF24-105mm F4L IS USMというレンズを使用して撮影されています。カメラとレンズのセットで合計20万円くらいする機材です。

一方、写真②はiPhone 8 Plusで撮影されています。

※フルサイズとは、高画質な撮影が可能なカメラの機能の規格のことです。多くのプロフォトグラファーが使用しているカメラはフルサイズという固体撮像素子(イメージセンサー)の規格を備えています。

 

大画面のモニターで見比べると差が分かりやすいですが、スマートフォン等の小さな画面で見比べると写真①も写真②も、そんなに大きな違いはないかな?と感じた方が多いのではないでしょうか?

このように、撮り方を工夫しなければ、一眼レフを使っても実はそれほどきれいな写真は撮れません。

逆に、最近のスマートフォンでは最新機能(ここではiPhone 8 Plusのポートレートモードを使用)の活用と撮り方の工夫次第で以下のような一眼レフっぽい高画質風の写真を撮ることができます。というかもう、高画質です。

スマートフォンで撮影したきれいな写真

高性能な一眼レフ等のカメラは、被写体の質感や景色の空気感・立体感をより鮮明に伝える能力が高いため、同じ条件で撮るなら、スマートフォンよりも一眼レフカメラで撮影した方がいい写真を撮りやすいです。

とはいえ、いい写真を撮るためにはカメラの性能よりも撮影のテクニックの方が重要であることがここまでの内容からご理解いただけたかと思います。

以上を踏まえて、いい写真を撮れるようになる為の考え方やテクニックを次章で実践形式にて具体的に深堀りしていきます。

写真で何を伝えたいかを整理しよう【マウスを例に解説】

料理写真

写真を撮るということは、写真を通して何か伝えたいメッセージがあるからではないでしょうか?

例えば、自分が「美味しそう!」と感じた料理を写真に撮って誰かに見せる場合、その美味しさが少しでも多く伝わるように撮り方を工夫しますよね。

このように、「自分が写真を通して伝えたいことは何だろう?」と撮影する前に一度立ち止まって考えてみることは、いい写真を撮るための土台として大切な工程だと言えます。

さて、ここからは上司に「このマウスを販売したいから、売れそうな写真を撮って。」と突然お願いされた例を題材に、どうすれば伝えたいことが的確に伝わるいい写真が撮れるのか、一緒に考えてみましょう。

マウス

「え、マウス…?」

そんな声が聞こえてきそうです。

「これを魅力的に撮れるの…?」

とも。

 

マウスの写真を見て「うわ~!めっちゃいい写真やん!!」と感動する人は恐らくそんなにいません。

つまり難易度は高めです。

上司の無茶振りに疲弊しつつも、試行錯誤しながら一緒にチャレンジしてみましょう。

ここから先で掲載するマウスの写真は全てiPhone 8 Plus(スマートフォン)で撮影しています。

(※もちろんビヨンド内でこのような謎タスクの処理を実際に言い渡されることはまずありません。もしあっても自分なら言い訳して断ります。

被写体の魅力を整理しよう

上司の無茶振りで売れそうなマウスの写真を撮らなければならなくなったので、まずはこのマウスの魅力はどこにあるのか整理してみることにします。

私はこのマウスの魅力を、以下のように感じました。

  • メタリックな色合いとマットな質感がかっこいい
  • 握りやすそうなサイズ感がいい
  • ほどよく丸みを帯びたシェイプが愛おしい

これからいい写真を撮るために、少し過剰なまでに褒めてみました。

まずはモチベーションを上げる事が肝心です。

被写体の魅力の伝え方を考えよう

今回の被写体であるマウスの魅力を整理したら、次にその魅力がどうすれば伝わるかを考えます。

当たり前ですが、こんな撮り方ではマウスの魅力は伝わりません。

よくない撮影例

夏の時期にマンションの廊下の隅で転がっているセミみたいですね。

近づくとだいたい暴れだすので怖いやつです。

 

売れそうなマウスの写真を撮りたいので、写真を見て「良いマウスだな!」とか「このマウス使いたい!」と感じてもらうことが今回のゴールです。

これらを踏まえて先程整理したマウスの魅力を伝えるにはどのように撮るべきでしょうか?

考えるべきポイントは以下の2点です。

  • ポイント①被写体の構図を調整

→どの角度から撮れば最も被写体の魅力的な情報が伝わるだろうか?

  • ポイント②被写体に当たる光を調整

→どのように光を当てれば被写体の持つ質感の良さを表現できるだろうか?

順に解説します。

ポイント①被写体の構図を調整

最初に整理した際、マウスの握りやすそうなサイズ感や、シェイプの美しさを魅力として押し出せそうだと考えたため、それらが伝わるようにマウスの配置などの調整によって構図を試行錯誤します。

ポイント②被写体に当たる光を調整→結論:室内なら窓際で撮ろう

カメラマン以外はあまり気にしないポイントですが、被写体に当たる光の調整はとても重要です。

「なぜだかわからないけどいい写真だなあ…」と感じる写真は、たいてい光が鍵になっています。

光がきれいな写真例

光を生かすことでコントラストにメリハリのある写真が撮れます。

(※こちらは一眼レフで撮影した写真になります)

自然光を活用する

実際にフォトグラファーが商品撮影をする際は照明機材を複数使用して緻密に光をコントロールした上で撮影することがほとんどですが、そのような機材を使わなくてもいい感じの光を作り出す方法があります。

ズバリ、自然光の活用です。

自然光とは、太陽光など人工的ではない光のことです。

自然光をうまく活用すれば、かんたんにライティング機材を使用した場合と同等のきれいな写真を撮ることが出来ます。室内であれば、十分な自然光を得られやすい日没までの時間窓際で撮るのがおすすめです。

逆に室内灯の光を頼りに写真を撮ろうとすると、十分な光量を得られず、暗くてぼやっとした写真が撮れてしまいがちなので注意してください。

上記ポイントを踏まえて、窓際でマウスを撮ってみました。

マウスの厚みや形が伝わる様に、側面が見えるやや斜め側から撮影しています。

少し余計な光が入ったマウス

撮る角度としては悪くなさそうですが、少し写りこみが気になります。

マウス-修正したいポイント

ちょうど手が届くところに本を買ったときの袋が落ちていたので、それを使って余計な写りこみを抑えてみます。

自然光をコントロールする例

余計な光を抑える為の正式な機材もありますが、これだけ日常的なものでも効果的に自然光をコントロール出来ることを説明したかったので今回は袋でやってみました。あとは機材の用意が面倒でした。

写りこみを防いだマウスの写真

部屋に落ちていた袋のおかげで不要な写り込みがなくなりました。

これでマウスのシェイプや質感を伝えたい方向で的確に表現した写真が撮れたように思います。

では、これで無事売れるマウスの写真が撮れたと言えそうでしょうか?

そんなわけ無いですよね。

原因は言わずもがな、私の部屋のきたねえ布団が背景になっているからです。

毛玉とかすごいですね。

そのため、今度は撮影場所を布団からデスクに変えて同様に窓際からの自然光を活かして撮ってみました。

(なんで今まで布団で撮っていたのでしょうか…。)

デスクで撮ったマウス

きたねえ布団が足を引っ張らなくなった分、印象はかなりよくなったと思います。

(ただし、デスクが狭い関係で斜め気味の角度から撮る事が出来なくなりました。マウスの側面も写せる撮り方が出来ればベストですが、今回は諦めることにします。)

この写真なら、例えばフリマアプリなどで出品すれば売れるかもしれません。

しかし、上司に相談したところ、

「う~ん、悪くないけどこの写真だとまだ『このマウス欲しい!!』とは思われなさそうかな。」

と言われてしまいました。なるほど、ぐうの音も出ません。

ここまででは被写体(マウス)の魅力を引き出すことにフォーカスを当てて撮影していましたが、今回の場合それだけでは人の心を動かすほどの写真は撮れない事が分かりました。

その為ここから先は、被写体以外の要素にフォーカスを当てて、どうすればより被写体(マウス)の魅力を引き出す写真を撮れるのか、一緒に考えていきましょう。

写真にストーリーを加えよう

さらに被写体(マウス)の魅力を引き出すような写真を撮るためには、マウスそのものの魅力をアピールするだけではなく、このマウスを使う未来の生活がイメージ出来るような情報を写真に含める必要があります。

それが写真にストーリーを加えるということです。

(商品撮影の現場では、商品の形、質感を正確伝えるための写真をプロダクトカット購買意欲を促進させるための写真をイメージカットとしてそれぞれ区別します。今回はイメージカットを撮るという前提で進めていきます。)

以下に整理していきます。

マウスはどんな人が使う?

まずはマウスを使う人物像を想定してみます。マウスを使用する人物は多くの場合、学生や社会人など、PCで何かしらの作業を行っている人です。また、今回撮影するマウスはメタリックな赤色なので、主に男性受けを意識してストーリーを構成していきます。

マウスを使う人が求めている生活イメージ

PCとマウスを使って作業をする人は、快適かつおしゃれな空間でスタイリッシュに作業をしたいと考えていることが想定できます。

以上を踏まえて実際に写真にストーリーを加えてみます。

小物(小道具)でストーリー性を演出

デスクにマウスを置いただけの写真では、ストーリーを感じさせるのは難しそうです。

そのため、マウス(被写体)を彩る小道具としてデスクにPCボールペンアイスコーヒーイミテーショングリーンを置いて一緒に撮ってみました。

余計な背景が入ったイメージ写真例

にぎやかな雰囲気になり、マウスを使う生活イメージはしやすくましたが、背景に白い壁が写っているのが今回のコンセプトには余計だと感じたため、白壁が写らないよう撮影する角度を変更します。

このように、頭で描いているイメージ通りに写真が撮れない時は、撮れた写真の全体を見渡し、余計なものが写っていないか確認してみることで、どう撮り直せばイメージ通りに撮れるのかが見えてきます。

また、今回使用したイミテーショングリーンは少しかわいらしい印象が強く、マウスや他の小道具とはミスマッチだと判断したため、別のイミテーショングリーンを使用することにします。

イマイチな点を修正して再撮影した写真はこちらです。

再撮影したマウスの写真

 

前回の写真と比べて情報の過不足がなくなり、マウス(被写体)を使ってスタイリッシュに仕事をするストーリーが、かなりイメージしやすくなりました。

これで完成でも悪くはありません。

ただ、デスクの隣にある間接照明が目に入ったので、最後にこれも試しに使ってみることにしました。

以下は撮影風景です。

間接照明を使った撮影風景

このように、デスクに新たな光が加わり、自然光とは異なる雰囲気がでました。

間接照明の光を使って撮影した写真はこちらです。

完成写真

光が当たる位置をあえて絞り込むことでよりスタイリッシュな雰囲気になりました。

このように、あえて全体をはっきりと写さなかったり、PCやイミテーショングリーンをあえて画角からはみ出る形で撮ることにより、奥行きメリハリを感じさせる写真を撮ることが出来ます。

今回はこの写真で完成とします。

原則では室内照明は利用せず、窓際からの自然光を活用することをおすすめしますが、間接照明であれば今回のように効果的に使う事が出来るケースも多いです。是非いろいろと試してみてください。

この記事のまとめ

  1. 高画質がいい写真の条件ではない。伝わる写真がいい写真。
  2. いい写真を撮るために、写真を撮る前に被写体の魅力を頭の中で整理しよう
  3. いい写真を撮るために、被写体の魅力が伝わる構図、光を調整しよう(室内なら、窓から差し込む自然光で撮ろう)
  4. 背景や小道具を活用して、写真にストーリーを加えよう

ひとつでも参考になる内容があれば嬉しいです。

最後まで見ていただき、ありがとうございました!

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この記事をかいた人

About the author

五島 羊祐

Webサービス事業部所属。
2016年よりフォトグラファーとしての活動経験を経てWeb制作企業でSEOライティング、コピーライティング等を務める。
その後アパレル事業に参画し、商品撮影、ECサイト運用、SNS運用、店舗責任者等全般的に担当。

■(株)ビヨンドでの業務内容
・SEO施策の計画、実行
・Web広告運営
・SNS運営
・Web解析
・UI/UX設計
・フロントコーディング
・ブログライティング
etc...

■その他
・社内の組織活性化を担う「第5期組織文化委員会」の実行委員長
・社内でたまに珈琲をいれています。
・楽器が弾けるメンバーが多いため音楽部の立ち上げを企画中